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あらゆる角度から『魔法先生ネギま!』を斬る!!つもりのブログ、のはずだったが最近はその趣旨からかなりずれている。マンガ全般について扱っているつもりのブログ。でも「ネギま!」のことは忘れないブログ。
いよいよドラマ版『ネギま!』のキャストも顔写真付きで公式発表がなされ、実写化という現実が眼前まで迫ってきています。今回はファンの間でも騒動となっている、その実写化について述べたいと思います。


私が最初、とある出演予定者のブログから「実写化」という情報が漏れたことを知ったとき、直感的に2つのことを思いました。
1つはこれが「企画」とか「プロジェクト」とかそういう大層なものではなくて、およそネギま!と乖離したところに本来の目的がある「企て」に近いのではないかという事。
そしてもう1つは、圧倒的な数の『ネギま!』ファンが猛反対する中で少数の賛成派がそれに異を唱え、賛否両論が繰り広げられる構図が出来上がるであろうという事です。
前者はまったくもって私の独断と偏見によるものですが、後者は明らかにそのような様相を見せていると言っていいでしょう。

何故ここまで反対派が多いのかというと、やはり『ネギま!』という作品そのものがあまりにフィクション性が高いことが挙げられます。特に登場人物にそれが当てはまると思います。
10歳の天才少年。あまりに中学生離れした個性豊かなクラスメイト。幽霊(さよ)はどうするの? ザジは黒人を起用? 魔法はどうやって映像にするの?・・・などなど、ざっと思いついただけでも実写化にあたって不可避な問題点は山積みになっているわけです。
そもそもそういったファクターがあってこそ『ネギま!』は『ネギま!』になり得るわけですから、そこらのタレントを適当に起用して・・・という簡単な話では済まされません。そうでなくてはもはや『ネギま!』とは全く別物の、何がしかのドラマしかできないことは想像に難くありません。

また、どうしてもこれをなくして語れないというのが過去2度に渡るアニメ化のことでしょう。第1期のときは無残なまでの作画崩壊やストーリー改変によって完全に黒歴史とされていますし、第2期も部分的に面白いところはあったが第1期よりはマシという程度に留まってしまった(というか第1期が悪すぎたのでお世辞にも良い評価は下されていないとみるべき)。
こういうことから、ほとんどのファンはこれ以上のメディアミックスに対して辟易しているのが現状なのだと思います。そこへ舞い込んできたのが実写化の話。反発しないわけがありません。

中には賛成している方もいらっしゃるようです。しかしその人たちの意見を聞く限り、「せっかくのドラマ化の話なんだし、楽しみにしようじゃないか」「やってみなければ分からない」などといった消極的賛成の声しか聞かれない感じがどうしても否めません。諸手を挙げて賛成している人は皆無のようにも思えます。
賛成するのだったら、過去にはこういう漫画の実写化が成功しているのだから『ネギま!』だって成功するはずだとか、いろいろなデータを持ち出して猛烈にプッシュするような声もあってもいいように思われるのですが、なかなかそうもいかないようです。やはり賛成の声をあげる人の脳裏にも過去の出来事が焼き付いて離れていないのかもしれません。
しかしそれは過去の出来事として存在する以上仕方のないことであり、多かれ少なかれ消極的になってしまうのはごく自然な流れだと思います。


ここで制作陣には言っておきたい。中には楽しみだ、期待しますと言う人もいるが、それはあなたたちが「実写化します」と言ったから初めて楽しみだと言っただけであって、最初から実写化なんて話が出なければ誰がそんな事に期待しますか。誰が期待しましたか。

そもそも実写化という話に対しては『ネギま!』という作品に対する愛が感じられません。何故そういうことが言えるのかというのは申すに及ばず、これだけのファンが反発していることがまさにその証左でありましょう。『ネギま!』を愛する者たちが実写化に対して猛反対したという事実です。
そして先日、週間少年マガジン内で発表されたキャストの面々。このタレント起用もよく分かりません。オール日本人だとか31人中の年齢差が大きいとか、『ネギま!』のクラスメイトの設定をガン無視したとしか思えない起用が目立ちます。
『ネギま!』のヒロインは個々の人物設定があってこそのヒロインです。それは前述にある「ファクター」と全く同じことです。表面的なことすら再現できないで、一体何を作るつもりなのでしょうか。キャストは小学校の学芸会レベルですね。まあ、鳴滝姉妹ぐらいは再現できそうですが。


忘れてはならないのは、この実写化は作者である赤松先生も推進したことです。公式サイトで『かなり良いですよ。』と公言している以上、もちろん御本人が納得してゴーサインを出したということです。
この実写化という話への赤松先生の態度は、赤松先生が自身の作品をどうしたいのか、どう考えているのかということに深く関わってきます。それに対してその作品のファンが猛反発をしたということは、赤松先生とファンとの間で『ネギま!』への思いに齟齬が生じていることが浮き彫りになったということの表れではないでしょうか。
なぜ実写化?話題性の確保と言う人もいますが、今さら『ネギま!』に話題性なんて必要なのでしょうか。というか、なぜ話題性を気にするのでしょうか。『ネギま!』ほど多くの人が見ている作品だったらそんな心配とは無縁のはずなのです。仮に話題性を確保しなければならないほど人気が落ちているのだとしても、実写化という話はいただけません。ゴルフに例えれば、狭いフェアウェイで難しいクラブで打とうとするようなものです。当たればデカいかも知れないが、当たる可能性はほとんどないのではないか。リスクが高すぎます。
メディアミックスなんかいつでもできる。そんなことよりも原作を面白くして人気を得る方がよっぽど建設的です!

何にしろ、少なくとも実写化の話に赤松先生も一枚噛んでいるという事実を見過ごすべきではありません。


赤松先生のお考えはどうあれ、正直な話、私にはこの実写ドラマはただの小粒タレントのまとめ売りにしか思えません。むしろ当初からそういうことが狙いだったのではないかと勘ぐりたくなるほどです。
しかし、もはや実写化という流れに歯止めをかけることは不可能に近い。我々はもちろん、赤松先生を含む制作陣も引くに引けないところまで来ているでしょう。猛反発をされるくらいなら、最初から企画を公表しなければよかった話なのです・・・

私たちはこれを甘んじて受け入れるしかないのでしょうか。制作陣や役者だけが気に入っててヒットしない番組など誰も求めてはいません。お互いに「作ってよかった」「見てよかった」と思えるものをつくろうという制作陣の意思というか意地というか、それをどこかで見せて欲しいものです。


最後に、私がここで書いたことを後悔するぐらいにクオリティが高いものが世に公表され、今後ますます『魔法先生ネギま!』が繁栄することを切に願う所存であります。





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